『甦れ!中小企業魂』(フジサンケイビジネスアイの連載コラム) 3号

増山としかず事務所からのお知らせです。

日刊総合経済紙「フジサンケイビジネスアイ」の連載コラム、増山としかず の『甦れ!中小企業魂』の第3号の紹介です。
フジサンケイビジネスアイ様のご協力で当ホームページでも紹介いたします。

毎週水曜日に掲載されています。
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『甦れ!中小企業魂』第3号 (2017/06/21)
働く人の笑顔とやる気が満ち溢れているか

以前私が、北海道で経済産業局長として勤務していた時のことです。

長く日本の経済基盤のエネルギーを支えてきた炭鉱の町は、実は多様なモノづくり産業を産んだ器であることを知りました。例えば、鉄道用の軌道枕木を作るために森から木を切り倒して製材業が生まれ、のちに核となる家具産業へ。

また激しい肉体労働の結果、現金収入を持つ炭坑夫の渇きを潤すために清酒蔵元が生まれ、疲れを癒すために和菓子店が生まれ、のちにスウィーツ産業に発展したのです。

そんな中、炭坑で昔栄えたある町を訪れ、今や世界的なベアリングを製造する中小企業の社長とじっくり話す機会がありました。炭坑の滑車を元々作っていたその土地柄から生まれ成長した会社です。人口流出と少子高齢化とのWパンチの中で苦しむ土地にありながら、世界的にも精度の高い品質の製品を作り続けています。

成功の秘訣は、一つは障害者雇用の促進であると社長は明言されていました。政府が決めた目標の中で受動的に雇用することが一般的である中で、障害をお持ちの方の手作業の正確さ、集中力、そして検知能力が極めて高いことを見抜き、最大限磨いてきたのです。それにはまず社長自らが、工員さんと一緒に作業をし、集中力を維持して長時間モノを作りあげていくことの大変さをまず実感し、その上で障害者の方がいかに優秀であり、これこそがこの社の宝であると滔々と話していた姿がとっても印象的でした。

また、東京の企業でのある夏の日。

そこでは、身体、視覚障害、自閉症などの精神障害をお持ちの方に、主にデザインなどで積極的に活躍していただき大きな成果を上げています。

他部署の皆がクールビズで働いている中、ビシッとした姿で仕事をされています。なぜですかと聞くと、その答えは「働くことが嬉しいのです。朝スーツ姿で普通に通勤でき、それを近所の人に見てもらえることが心の底からうれしい!」。

正直私は自分が恥ずかしくなりました。障害をお持ちの方は、準備がいろいろと大変で服を着ること一つにも楽であるほうがいいのではないかと勝手に思っていたのです。

一億総活躍、働き方改革と叫ばれている現在ですが、実は咲く花は様々で、それをどう活かすか、政府も企業経営も同じです。企業特に中小企業が生き残っていくやり方は様々あるでしょう。ただ、その最大の共通項は、働く人の笑顔とやる気が満ち溢れているかということです。そして、全ての人が力なのです。