たゆたえども沈まず

たゆたえども沈まず

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2020年10月1日発行

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ Vol.129

増 山 と し か ず メ ー ル マ ガ ジ ン

日本をもっと強くしなやかにしたい!

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■ たゆたえども沈まず ■
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セーヌ川のほとり。
ノートルダム大聖堂のすぐ近くに立つパリ市庁舎に、帆掛け船をあしらった大きな紋章が正面を飾っている。

紋章のデザインの中には、ラテン語で「FLUCTUAT NEC MERGITUR」と書いてある。

意味することは、パリを船に喩えて“大きく揺れはするが、決して沈まない”という意味である。

 

これは、パリの歴史に基づいている。

長い歴史の中で、多くの戦乱に明け暮れたパリ。
第二次世界大戦の際にはナチス率いるドイツ軍に占領され、4年間も蹂躙(じゅうりん)されていた。

そして今も、多くのテロの標的となり、最近ではコロナによって、街の機能はロックダウンを余儀なくされた。
海外からの観光客も途絶えて、経済的に大きな痛手を負っているのである。

 

それでもパリに住む人々は、どんなに揺れても、決して沈まず、前に進むのだと固く信じている。

様々な困難が山積している今だからこそ、この言葉がすべての人の心に響く。

この言葉には、「たゆたえども沈まず」という日本語の名訳がある。
原田マハさんが、19世紀の不遇の巨匠ゴッホを題材に著した本の題名として有名になった。

 

つらいときは存分に泣けばいい。
沈みさえしなければ、いつかまた前に進むことができる。

幾多の苦渋をなめたパリだからこそ生み出したこの言葉は、私たちに、そしてすべての経営者の心に、深みのある言葉として響くのではないだろうか。

 

たゆたえども沈まず、前に進もう!

 

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