国会は国権の最高機関か?
2020年12月3日発行
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増山としかずの日本をもっと強くしなやかにしたい!
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■ 国会は国権の最高機関か? ■
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大学の法学部に入って最初に学ぶのは日本国憲法です。
その第41条には「国会は、国権の最高機関であって、国の唯一の立法機関である。」と規定されています。
大学一年生だった当時の私には、この文言が、後々学ぶ三権分立(司法権と行政権と立法権が相互に独立して牽制しあう民主主義の基礎となる考え)との関係で、ひと際異色な文言に見えたものです。
法律上の意味としては、政治的な美称説とするのが一般的で、法律的な意味は特にないというのが通説のようです。
確かに戦前の政治体制では、国権が天皇にあることから国会の権限が弱く、結果、天皇が有すると解釈された軍の統帥権を盾に軍が暴走したことを思い起こすと、この規定の意味が明確になります。
大いなる反省を込めた文言だったのでしょう。
ただ、戦後75年を過ぎた今。
この規定の意味は、別の方向に向かっているのでないかと危惧する次第です。
すなわち、選挙によってひとたび選ばれた以上、最高権力のメンバーになったと勘違いして、行政権や司法権にまで影響を及ぼせると勘違いしている議員先生が少なからずいるのではないかと心配しています。
特に、行政権を行使する政府の役人に対しての横柄な態度は一部目に余るものがあります。
そのような行き過ぎた行為や間違った誇りの源が、この憲法第41条ではないか。
そして、戦前の軍がかつてそうであったように、最高不可侵の存在は必ず暴走するのです。
今、憲法改正の論議が再び起きようとしています。
憲法第9条との関係における自衛隊の存在を明文化するか否か。
今回のコロナ禍などに備えた緊急事態条項を規定すべきか否か。
あるいは、環境権などの権利を明文化すべきか否かなどの論点が議論されています。
私は、憲法改正をする際にはこの「最高機関」という文言を削除すべきであり、国会が立法権の行使と、行政の監視を国民に代わり行うという役割を正確に果たすためにも、この美称はもはや必要ないと、国会自らが発することにより、その権威は逆に強化されるのではないかと考えるのです。
ただし、憲法改正の発議をして国民の判断を求めるのはあくまで国会です。
したがって、国会が自ら最高という美称を削除するような提案をすることは、まず考えられません。
だからこそ国民主権のもと、国民がこの最高機関性を積極的に議論し、国会議員に問題提起をしていかないといけないのではないでしょうか。
皆さま、どう思われますか?
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