休みが増えて国が滅びる?

休みが増えて国が滅びる?

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増山としかず事務所からのお知らせです。

日刊総合経済紙「フジサンケイビジネスアイ」の連載コラム、
増山としかずの『増山としかずと日本の未来を考えよう!』第2号の紹介です。

『増山としかずと日本の未来を考えよう!』第2号 (2018/01/29) - 休みが増えて国が滅びる?

 

2018年の新年がスタートいたしました。年末年始の休日を振り返ると、12月23日の天皇誕生日から数えて1月8日成人の日まで17連休、官庁の御用納め翌日からでも11連休、そして金融機関が休んだ30日からでも10連休となる極めて長い休みをとることができました。

これまで、政府は休日が増えると消費が増えるとして、一貫して休日の増加に邁進してきました。法定休日を増やす、飛び石連休を連続化する、などなど。気がつけば日本は世界でも法定休日が多い国となりました。

さらに来年春の天皇の「即位の礼」の日を祝日とし長期のGW・10連休とするとか、あるいは同年の夏の東京オリンピックの開会式の日などを祝日にしようとかの議論もあります。

休みが増えることには誰も文句をいわないだろう、しかも景気浮揚効果もあるでしょう、との声が聞かれるのです。

しかし、すべての物事には限度というのがあるはずです。
日本人は働き過ぎるといわれてきましたが、それはほんとうでしょうか?
法定休日に加えて、週休日、年次有給休暇をあわせて年間休日数として世界各国の労働に関する統計データがあります。

実は、日本の年間休日数は世界の国々と比べても大差はないのです。
週休日に差はなく、法定休日の差、そして年次有給休暇の消化率の差があり、合わせると国ごとでの差はあまりないのです。

日本は年次有給休暇の消化率の悪さを、法定休日で一斉に休ませているように見えたりしませんか。
世界の国々の法定休日は、基本的に、独立記念日、キリスト教のクリスマスや復活祭などの宗教的な特別の日だけが多く休日数にも差があります。
お国柄にもよりますが、国民は、このような休日を利用して、子供・学校などの事情に合わせて有給休暇を計画的にそして完全に使って、自分なりの休日を楽しむのです。

法定休日が増えることは、残念ながら日本のように直接、経済効果としてプラスになるという発想が彼らには全くありません。むしろ経済的にはマイナスになると思っています。
休日が増えると経済効果がプラスになるといわれていますが、最近はその効果は低減しているのではないでしょうか。

実は皆、それに気付いているのですが、ぬるま湯にゆっくり浸かっていると気持ちがいいので、だれもやめようとは言わないのです。

ただ一方で、祝祭日で一斉に休むことでその弊害が生じています。
例えば、労働人口の過半を占めるサービス業・流通業の皆さんにとってはまさに地獄の日です。休めない、業種に人が来ない、人手不足、そしてサービスレベルの低下などなど、すでに始まっています。

「働き方改革」として多様な働き方を目指しているのに、法定休日に休める一部の特権階級にあたる人と、そうでない人との社会的格差が今確実に広がっています。
また、既に退職したシルバー世代にとっては法定休日の増加が財布のひもを緩める効果があるとも思えないのです。昔のような効果は期待できないのではないでしょうか。

日本の年間休日数は世界の国々と比べても大差がないことを紹介いたしましたが、
労働時間の長さを比べるとその順位は20数位と短く、時間当たりの労働生産性も20数位、国の力でもある1人当たりの労働生産性はなんと30数位という統計データがあります。
他方、日本よりも労働時間は少なくても労働生産性は高い国もあるのです。
国主導での増える法定休日での労働時間短縮、一斉に休むことでの効率の悪さに甘んじるのではなく、有給休暇など利用できる制度は計画的、積極的に消化し、休む時は休む、働くときは集中して働き、生産性をあげる「働き方改革」をしませんか。

どの休日をどういう順番で閉じていくか、どの休日をどう活かすか、皆で考えようではありませんか?

 


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