北海道のコンビニ

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増山としかず事務所からのお知らせです。

日刊総合経済紙「フジサンケイビジネスアイ」の連載コラム、増山としかず の『甦れ!中小企業魂』の第15号の紹介です。
フジサンケイビジネスアイ様のご協力で当ホームページでも紹介いたします。

毎週水曜日に掲載されています。
フジサンケイビジネスアイは定期購読紙ですが、このほかに都内の一部ファミリーマートでも購入できます。

『甦れ!中小企業魂』第15号 (2017/09/13)
北海道のコンビニ

北海道に行くと本州ではあまり聞き慣れないコンビニチェーン店があります。
その名を「セイコーマート」といいます。以前、ご縁があって札幌市内にある物流センターを見学させていただきました。
そしてその中に、中小企業の生き残りのヒントがあるのではと感じたことがありましたのでご紹介しましょう。

九州と四国を併せたよりもまだ広い北海道で、ほぼ全町全村に少なくとも一軒のセイコーマートがあり、あり続けることをモットーに頑張っています。
無駄をなくし、トラックの荷台が空になることがないように物流計画を作り、ものすごい経営努力をして大手に追随を許さいない存在です。

そこでコンピューターシステムを見せてもらった際にびっくりしたのが、なんと、ほとんどの企業が採用するようなアメリカ製や日本製のソフトではなかったのです。
私が愛するフランス製でした。フランスと聞くと日本人は、芸術やファッションの国というイメージで、コンピューターソフトの国というイメージとは程遠いでしょう。
しかし、天才的な数学者パスカルを生んだ国でもあります。
そのような答えを期待しつつなぜフランス製?と社長に伺うと、「北海道みたいに広くて自然環境が厳しいところで物流を回していくためには、完全ではだめなのです。間違いや想定外のトラブルがあることを前提にシステムを組まないといけない。その点フランスのシステムは、最初のシステムの発想が不完全であるというところからスタートしているのでぴったりなのですよ。」とおっしゃっていました。
冬の暴風雪の中、道北の搾乳基地から生乳の鮮度を維持管理しながら安全に運ぶには、遅れることも前提とし、後方要員を二重三重にも組まないといけないこと。逆にそれを組めば無敵であること。
また彼はそっと「北方領土問題が解決に向かう中、日本のコンビニが進出できる、しなければいけない。その際にできるのが我が社だけです」と。

ある日本のITビジネス業界のベンチャーとして草分けに属する長老が、私に言った言葉。
それは、「事業をする上で一番大事なことは【セレンディピティ(serendipity)】ですよ」と。
素敵な偶然に出会うこと、失敗を通して予想外の発見をすることなのです。
いま失敗していても、時代が変わればそれが財産になる。人生に無駄なことはない。
人間万事塞翁が馬ということでしょうか。日本の中小企業魂はまさしくセレンディピティの塊です。

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