30年ぶりの新税

30年ぶりの新税

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増山としかず事務所からのお知らせです。

日刊総合経済紙「フジサンケイビジネスアイ」の連載コラム、
増山としかずの『増山としかずと日本の未来を考えよう!』第3号の紹介です。

『増山としかずと日本の未来を考えよう!』第3号 (2018/02/15) - 30年ぶりの新税

 

今回の税制改革において約30年ぶりに新税が導入されることが決まったようです。
国際観光旅客税と森林環境税です。もちろん国会審議次第ですが。

どちらも額が1000円。前者は出国するたびに1000円。後者は年間住民税に1000円の上乗せでの課税です。
最近の税制改革そして特に今年の改革では、企業への課税ではなく、個人への課税しかも税を取りやすいところからの定額課税の方向が鮮明になっています。

今回の税制改革そして新税に関しては漠然とした不安を感じているのは私だけでしょうか。
正面からの議論を回避しての安易な増税ではないでしょうか?

これまで積み重ねて来た、消費税導入による、税の簡素化、平準化に逆行する手法であり、正面からの議論をもっとすべきではないかと考えます。

税金には、目的と効果その使い道、そして集め方の公正性が厳しく問われなければなりません。
イギリスやフランスそしてアメリカのような民主主義の先駆けとなった国々は、国王や宗主国が安易に課税することに納税者が立ち上がり、国王との契約であるマグナカルタがうまれたり、国民会議を招集して、納税者がしっかりと監視する仕組みができて、現在の民主主義を生み出してきたことを思い出すべきではないでしょうか。

国際観光旅客税は当初は入国・出国税といわれていました。

入国するときに課税することも可能ですが、入国するときに税を取るといかにも関所みたいなイメージがあるものですから、出国するときに、外国人日本人を問わず支払ってもらうという考え方のようです。出国する際になぜ税を払わなければならないのか。

日本にたとえわずかでも滞在居住したことに際して、日本の観光インフラを利用したに違いない、そういう方に対して、「今後日本の観光インフラを益々良くしていきますので税金を払って頂きたい」というのが政府の考えでしょう。

そこにはギリギリ目的と使途の合理性があるようなないような。
徴税の合理性については、航空券や船の発券の際に支払ってもらうということでしょうが、消費者からの預かり金を消費税に加えて航空会社や旅行代理店などが徴収して、立て替えて国に支払わなければなりません。
その事務作業、機会損失などをどう考えているのでしょうか?予算措置で支援するとしても、その予算措置は生きた予算の使い道といえるでしょうか。

集めたお金をどう管理するのか、昔のように特別会計のように独立して管理して、観光以外のものには使わせないとするのか、そうすると特別法が必要となるのですが、特別会計はもうつくらないと決めた過去の税制改革を否定するのか。そこがまだ明らかではありません。
もし特別法を作らないのなら、この集めた税金は、結局は一般会計に入り、極力観光に使うとしてもその境界線は限りなく薄いものになるでしょう。

本来ならば、そういう財政のニーズのために消費税ができてこれを引き上げようとしてきたはずなのです。
しかし消費税を10%に引き上げの前に、教育無償化などに大盤振る舞いをせざるを得なくなり、10%でさえ引き上げが困難な中、特別税を新たに作ることにしたというのが実態ではないでしょうか。
予算は一過性ですが、税金は一度できると制度ですから恒久化します。

もう一つの新税も同じ問題を抱えています。
確かに地方での山林は荒れ放題です。
治山の観点からも地方創生の観点からも山林整備は待ったなしです。
だからと言って、森林があまりない東京、大阪などの大都市圏も地方も含めて住民税に一律1000円を上乗せするのは、本当に合理的で説得的といえるでしょうか。

たかが1000円されど1000円。
気が付けばいろいろな名目で1000円がいたるところで徴税されるそんなことにならないようによくよく目を凝らす必要があります。

 


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